「勝つことと負けないこと」一見すると同じように思えますが、どのよう
に違うのか考えた場合、株式投資では、一般的には買いから相場に
入る投資家が多いとされております。
相場での勝ちについて考えてみると、勝ちとは買値より株価が値上
がることによって利益を手にし、負けとは買値より株価が値下がり
することによって損失を被ることだと思います。
そして実際に株式投資の場合はこのどちらかですが、中には買値
近辺で株価がほとんど動かないこともあります。
この場合、多くの投資家は苛立ち不満を持ちます。なぜなら実際に
リスクを取って勝負しているのだからリターンがないということは、投
資する価値がないと考えるわけです。
しかし、確かに利益は上がってはいませんが、評価も含めて損失が
出ているわけでもありません。
ここで考えが分かれることとなり、この引き分けを、勝つことを中心に
考えている人はネガティブに考え、一方、負けないことを中心に考え
ている人はポジティブに考えます。
キャッシュフロー（利回り）を重視するように多くの株式投資の指南書
に書かれている理由の一つがこのような引き分け銘柄を持っている
場合には、安心して保有できるからです。
他の投資（リスクの低い定期預金や国債）などと比べればその資金
は有効に運用されているといえるからです。
実際に無理な取引をした場合には、株式相場では下落スピードの方
が圧倒的に速いので、大怪我をしやすくなります。
基本的に株式は上がるペースはゆっくりで長期間上がるのに対して
下がるペースは短期間に早く下がります。
これは上げ相場のときは需給関係が良好なのに対して、下げ相場
のときには需給関係が偏るからです。
こうしたことから上げ相場のときには、多少参入が遅れても大怪我
をすることは少ないのに対して、下げ相場に逃げ遅れると大怪我を
する確率は残念ながら必然的に高くなります。
つまり、負けるときは大きく、勝つときは小さくなりやすいのです。
上述したことは、多くの投資家が利益確定が早く、損切りが遅いこと
と見事に合致しています。こうして考えてみると負けないこと（正確に
は負けを少なくすること）が如何に大事かがわかってきます。
負けなくなれば残るのは勝ちだけです。
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